投資なの?投機なの?仮想通貨と暗号資産を使う前に知っておきたい事
こんにちは、禅のロブロイです。
以前だと全力で仮想通貨に投資をしている!と言う人を山ほど見かけたのですが、今では「投機」として仮想通貨を考えている人がいるのも事実です。
仮想通貨や暗号資産のイメージがどういったものなのか?について考えてみるとその理由はわかる人も多いのではないかと考えられます。
投資と言うには値動きが激しすぎ、開発者のコメントなどで金額が大きく乱高下する為、「予想」をするのが非常に難しいと言う点はより投機的と言ってもいいのかもしれません。
投資か投機かと聞かれたらどちらだと答えるかは個人によって違うとは思いますが、実際に大事なのは利益になるかどうかだと考えます。
目次
ギャンブル性が高い投資は投機と言われる事が多い
前提として、仮想通貨や暗号資産の取引に関しては「投資」だと言われます。
実際に取引をしてみるとわかる事ではあるのですが、動きが大きく、予想をし難い事を考えるとギャンブル性が高いと言われても仕方ないかなと言う点は非常にあるのも事実です。
その辺りも考えると投機と思われても仕方ないと言う事ですね。
逆に考えると、それだけ利益幅が大きくなると言う事でもあるのです。投機と言われると尻込みをしてしまうと言うのもわかるのですが、メリットとデメリットがしっかりとあると言う事は考えておかなくてはなりませんね。
ギャンブル性は高いが利益になった時のメリットが大きいからこそ、取引をしている人が多いとも言えるので、「投機」と呼ばれる事があるからと言って悲観する必要は全くありません。
仮想通貨バブルで、億千万円単位の利益を出した人も
2017年から2018年にかけて仮想通貨の価格が大きく上昇したことにより、巨額の財産を築いた「億り人」と呼ばれる人がたくさん登場しました。億り人とは、その名の通り「資産が1億円を超えた人」を指すスラングです。
普通に会社勤めなどをしている人が、投資によって資産1億円を作るのはそう簡単なことではありませんが、仮想通貨の異常ともいえる価格急騰により、たくさんの「億り人」が登場し、注目を集めました。
一般財団法人日本仮想通貨交換業協会のデータ(2018年4月10日一般財産法人日本仮想通貨交換業協会「仮想通貨取引についての現状報告」)によると、1億円以上の資産があるウォレットを持つ口座は、268口座あるとされています(ウォレットとは、自分の仮想通貨の記録を保管しておくデータ金庫のようなものです。仮想通貨は、あくまでデータであり、物理的な実体はないので、ウォレットに記録されたデータが仮想通貨そのものとなります)。
また、「日本経済新聞」2019年5月30日の記事によると、国税庁が発表した2018年の申告状況では、雑所得の収入が1億円以上あった人のうち、仮想通貨取引をしていた人は271人でした。
1億円以上の資産があるウォレットの数については、すべてのウォレットが対象となっているわけではない点、また国税庁のデータについては、申告していない人や仮想通貨を保有しているが売却(利益確定)をしていない人が一定数いることから、実際にはもっと多くの億り人がいる可能性も十分に考えられると言うのはプラスに考える事が出来る事なのかもしれません。
あくまで推定ですが、仮想通貨バブルにより、300人以上の「億り人」が生まれたと思われます。もちろん、「億」には届かなかったものの、数千万円クラスの利益を出した人もたくさんいるはずです。
仮想通貨「NEM」流出をきっかけに弾けたバブル
2017年から18年にかけての仮想通貨の急騰と暴落は、ひとことでいうなら「バブル」だったということでしょう。
そもそも、仮想通貨が注目を集めたのは、主に「ブロックチェーン」と呼ばれる技術により、その信頼性が担保される仕組みにより、これまでの国家や法律が信頼性を担保する法定通貨とはまったく異なる経済圏が生まれる可能性があったからです。
歴史を紐解けばわかるように、どんな国家にも栄枯盛衰があります。
現在の世界経済の中心であるアメリカ合衆国も、かつてのローマ帝国のように、いつか没落するかもしれません。そうなったとき、現在の基軸通貨である米ドルが紙切れにならないとは、だれにもいえません。
ブロックチェーン技術を背景に、これまでとはまったく異なる信頼のシステムに基づいて生まれた仮想通貨は、そのような法定通貨の限界を超越するものだと考えられことから、大きな注目を集めたのです。
しかし、既存の国家や法律の裏付けがないということは、逆にいうと、どんな値段や価値が適正なのか、だれにもはっきりとはわからないということです。
そのため、仮想通貨の価格は、取引に参加している人たちの需給関係だけで決まってしまいます。1ビットコインが100万円でも1000万円でも、それで取引が成立している以上、価格に疑問を投げかけることは無意味なのです。
つまり、国家や法律の裏付けがない仮想通貨の相場は、もともとバブルになりやすい性質をもっているといえます。
2017年のあまりにも急激な価格上昇は、仮想通貨の可能性が正当に評価されたためというよりは、価格が上がるから買う、買うから上がるというスパイラルで取引が膨らんだ、バブル相場でした。
そして2018年初頭には、日本の仮想通貨交換業者コインチェックから約580億円相当の仮想通貨、NEM(ネム)が流出した事件をきっかけにバブルが弾け、暴落することになりました。
仮想通貨・暗号資産の時価総額は「現実離れ」したものだった
代表的な仮想通貨であるビットコイン、イーサリアム、リップルの2014年から2018年のそれぞれの年度末の時価総額を見てみると、大きな差があると言うのは誰が見ても一目瞭然でしょう。
いずれの仮想通貨・暗号資産においても、2017年から2018年にかけて大きく上昇していることがわかります。
なお、ビットコインが史上最高額をつけたのは2017年12月17日で、そのときの時価総額は36兆円となっているほか、イーサリアムは15兆円(2018年1月14日)、リップルは14兆円(2018年1月8日)にまで高騰しています。
なお、日本取引所グループのデータ(日本統計所グループ「市場別時価総額」によると、同じ時期の上場株式の時価総額は以下のようになっています。
時価総額自体は株式投資の方がまだまだ大きいですが、比べてみると仮想通貨の時価総額の推移がどれだけ現実離れしたものだったかわかるのではないでしょうか。
法定通貨と連動新たな仮想通貨の可能性「リブラ」
これからの仮想通貨の行方を占うものとして、大手SNSのFacebookが2020年後半に発行を予定している「リブラ」が注目されています。リブラがこれまでの仮想通貨と違うのは、米ドルや日本円、シンガポールドルなど、複数の法定通貨と連動し、それらに裏付けされた仮想通貨となる予定と言われています。
こうした、新しいcoinが次々と出てくると言う点が仮想通貨や暗号資産の魅力とも言えるのでしょう。
先に述べたように、ビットコインやイーサリアムなど既存の仮想通貨はそうした裏付けを持たなかったがゆえに、需給関係だけで価格が決まり、その変動が大きくなります。リブラは法定通貨を裏付けとすることで、こうした問題を回避しようとしています。
一方、より実物通貨に近いことから、マネーロンダリングに利用される可能性もあるなどとして、G20で規制が検討されるといった話題もあります。そういった規制をクリアしたうえでリブラが登場すれば、これまでの仮想通貨とは一線を画した存在として一般的に普及する可能性があります。
仮想通貨の仕組みを揺るがす、量子コンピュータの登場
NEM(ネム)流出事件以外にも、過去に難度も仮想通貨の流出事件が起きています。
しかし、それらは単純に管理上の不備だったり、悪意をもった詐欺まがいの事件だったりで、仮想通貨の本質的な仕組み自体には、問題はないと考えられてきました。
実際問題取引所を通じて仮想通貨・暗号資産のやり取りをする事がほとんどなので、取引所の安全性と言うのは大事な部分と考えておかなくてはなりませんね。
しかしつい最近、その根本を揺るがしかねないニュースが報道されました。それが「量子コンピュータの登場」です。
「日本経済新聞」の記事(2019年10月24日『グーグル、量子コンピュータの「超計算」成功発表』)によると、グーグルが開発した量子コンピュータを使って、最先端のスパコンで1万年かかる計算を3分20秒で解くことができたとしています。
仮想通貨は、「暗号通貨」とも呼ばれることがあるように、暗号技術を基礎として成り立っています。
近い将来、「量子コンピュータ」など、現在のコンピュータより圧倒的に高い計算性能をもつコンピュータが実用化されたとき、仮想通貨を成り立たせている暗号がハッキングされてしまう可能性が指摘されています。
これまでなら、解読にはスパコンで計算しても1万年かかるから、現実的には絶対安全だと考えられていた暗号が、3分で解けるようになれば、その信頼性は崩れ去ります。
最もより、高度で複雑化する事も考えられるので、マイニングと言うものが廃れていく事も考えられるので、仮想通貨の成り立ち、ブロックチェーンテクノロジーに関しても変わる部分がもしかしたらあるのかもしれません。
一方では量子コンピュータを使ってより安全なブロックチェーン技術を作れるはずだという意見もあり、専門家の間でもはっきりした結論は出ていません。
投資ではなく「投機」の対象として捉えるのがベター
仮想通貨は、よくも悪くも現状のテクノロジーを基盤にしています。
量子コンピュータを含む桁違いのテクノロジーが実用化されたとき、仮想通貨がどうなるのか、どういった方向に進むのか、まったく予想ができないのは事実なのです。そのような観点から、仮想通貨は投資対象として不確実性が高いといえるでしょう。
現状の主要な仮想通貨が、法定通貨などの裏付けを持たず、需給関係だけで価格が決まることからも、資産形成の選択肢ではなく、値動きによって短期的に利ざやを得る「投機」の対象としてとらえるほうがベターだと考えられます。
もし仮に将来への夢として、長期保有のつもりで投資をするとしても、総資産額の5%以下程度の少額にとどめておくのが安全でしょう。
まとめ
仮想通貨や暗号資産は、現状を見る限りどう考えて「投機的な投資」である事は間違いないです。
しかしながら、利用されている技術であったり、本来の使用目的があると言う事は忘れないようにしておかなくてはなりません。
- 現在の仮想通貨や暗号資産の価値は本来のものとは違う
- 本来の利用目的は「投資」では無い
- 仮想通貨や暗号資産の安全神話は崩れる可能性もある
ビットコインで言うのなら、個人間ので売買などに利用されるような「送金」を目的としたものであり、最初から投資が目的で作られた訳では無いのです。
また、量子コンピュータの進化によって、ブロックチェーンテクノロジーの安全神話も崩れてしまう可能性もあります。
暗号資産や仮想通貨についての様々な面について理解をしておかなければ、「投資や投機」として捉えるのならば損をする事も考えられるので、しっかりと理解をしておかなければならない面であると言う事も考えておかなくてはなりませんね。